市長施政方針
令和6年2月27日
(本文書は施政方針の原稿であり、令和6年第1回武蔵村山市議会定例会当日の筆記録ではありませんので、演説の内容とは若干の相違点があります。)
本日ここに、令和6年第1回市議会定例会が開会され、市の行財政運営の要となります多くの議案を御審議いただくに当たり、令和6年度の市政に対する所信を申し述べ、市議会をはじめ市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
はじめに、本年1月1日に発生した能登半島地震により、石川県をはじめとした北陸地方に多くの被害がもたらされました。
震災では、多くの尊い命が犠牲となり、現在でも多くの方々が避難生活を送られております。
ここに改めて犠牲となられた方々に対しまして、謹んで哀悼の意を表するとともに、被災地の一日も早い復興を願うものであります。
本市におきましては、近年、激甚化している豪雨災害や大規模地震などの自然災害への備えなどの課題に的確に対処するとともに、災害に強いまちづくりについて、全力で取り組んでまいります。
また、多摩都市モノレールの市内延伸に向けた取組、本市の未来を担う子どもや子育て家庭への支援など、「持続可能な行政運営」に取り組んでまいります。
新年度の行政運営に当たりましては、「第五次長期総合計画」や、これに基づき策定いたしました「6実施計画」を基本として、本市のあるべき将来都市像の実現に向けた、中長期的な展望に立ったまちづくりを進めてまいります。
また、行政改革につきましては、「第七次行政改革大綱」に基づき、時代の変化に対応した行政サービスを提供する体制を構築するとともに、新たに発生する行政課題に迅速かつ柔軟に対応することができる行財政基盤を構築してまいります。
次に、財政運営につきましては、物価高騰の影響に加え、世界的な金融引締め等が続く中、市の財政状況の先行きを見通すことは困難な状況であり、極めて厳しい財政状況になることも想定されます。
こうした中、令和6年度の予算編成に当たりましては、歳入面では市税などの自主財源や国、東京都の補助金などの積極的な確保に努めるとともに、歳出面ではこれまで以上に厳しい視点で施策の必要性、有効性を見極め、歳出削減に向けた取組を一層強化し、今後の財政運営にもしっかりと目を配りながら、諸課題の解決に取り組むことに努めてまいります。
令和6年度の予算規模は、一般会計予算で約356億円、対前年度比14.3パーセントの増、また、特別会計等を加えた予算総額では約559億円、対前年度比11.8パーセントの増となっております。
今後とも、働く女性を応援し、安心して子育てができる支援の拡充や子どもファーストの視点に立って縦割りの壁を排するよう市役所の改革を進めるとともに、市長自らが先頭に立って自然豊かで安心なまちづくりを推進してまいります。
次に、市政の最重要施策について申し上げます。
はじめに、多摩都市モノレールの市内延伸及び新青梅街道の拡幅整備についてであります。
東京都の策定した「「未来の東京」戦略 version up 2024」では、都心・多摩の鉄道ネットワークの強化が掲げられており、多摩都市モノレールの延伸につきましては、2030年代半ばの開業を目指し、早期事業化に向け、手続を着実に実施していくこととされております。また、令和5年12月に都市計画案等の説明会が開催され、延伸実現に向けて着実に前進しております。これもひとえに市民の皆様をはじめとした多くの方のお力添えをいただきながら、粘り強く要望してきた成果と捉えており、心から感謝申し上げます。
本市といたしましても、延伸後を見据えた持続可能なまちづくりを進めるため、「(仮称)多摩都市モノレール沿線まちづくり方針」及び「立地適正化計画」を策定するとともに、今後も、関係市町や東京都とも連携しながら、将来の需要創出にもつながる沿線のまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。
また、「第二次まちづくり基本方針(都市計画マスタープラン)」に掲げる「駅を中心とした 歩いて暮らせるまちづくり」を目指してまいります。
さらに、令和5年6月から7月にかけて市民ワークショップを開催したところではありますが、今後とも各駅周辺の地域特性を活かしたまちづくりを進めてまいります。
多摩都市モノレールの導入空間ともなる新青梅街道の拡幅整備事業につきましては、東京都によって用地取得が進められるなど、着実に進行しております。
本市といたしましても、拡幅整備事業の一日も早い完了に向け、引き続き東京都に対し、積極的に働き掛けを行ってまいります。
次に、子ども・子育て支援についてであります。
新年度から、子どもに関連する施策を総合的に推進する体制を構築するため「子ども政策課」を設置するとともに、各種施策を一体化した計画を策定し、これまで以上の支援に努めてまいります。
加えて、新たな取組といたしまして、子育て家庭の経済的負担を軽減するために、新年度から、小中学校の給食費を無償化いたします。
さらに、令和6年10月から義務教育就学児医療費助成制度の自己負担並びに高校生等医療費助成制度の所得制限及び自己負担を撤廃することで、乳幼児から高校生世代までの医療費を完全無償化いたします。
また、小規模保育事業所において、保護者の就労等の有無にかかわらず、保育所等を利用していない未就園児の定期的な預かりを実施してまいります。
次に、物価高騰対策についてであります。
物価高騰対策につきましては、物価高騰の影響を受ける市内の商工業者及び農業者の負担軽減を図るため、補助金を交付することで支援してまいります。
また、保育所等の食材費や光熱水費等を補助することにより、その経済的負担を軽減し、円滑な子育て事業の実施を支援してまいります。
なお、今後も国の動向を確認し、適切な支援を図ってまいります。
それでは、新年度における施策につきまして、「第五次長期総合計画」の五つの柱に沿って主な施策を中心に順次申し上げます。
第1は、「市民との協働による地域振興」であります。
はじめに、コミュニティについてであります。
自治会活動の支援につきましては、引き続き自治会への加入促進に向けた取組や、自治会連合会が行う「自治会活性化事業」への支援を行ってまいります。
長野県栄村との姉妹都市交流につきましては、新たに栄村で伝統的に行われている「栄ふるさと太鼓」の活動を行う団体と市内の太鼓活動団体との、太鼓を通した交流事業を推進してまいります。
国際交流につきましては、5年ぶりに横田基地高校生英語ツアーを再開するとともに、モンゴル国ウランバートル市ハンオール区との交流につきましては、今後も交流内容の調整を図ってまいります。
また、市職員からなる、多文化共生事業協力員による日本語を話せない外国人の通訳等、窓口における各種手続のサポートに加え、タブレット通訳を活用してまいります。
次に、パートナーシップについてであります。
情報共有につきましては、新型コロナウイルスワクチン接種予約システムの一部として運用していたLINEについて、新たに市政情報等の発信手段として活用するなど、「第二次広報戦略」に基づき、効率的・効果的な広報活動を展開してまいります。
市民との協働につきましては、市民の主体的な意欲を地域課題の解決にいかし、協働により地域を支え合う仕組みづくりを促進する協働事業提案制度について、新年度からは、新制度に基づき、ボランティア・市民活動センター「ほほえみ」と連携しながら、市民活動団体からの協働事業の提案を募集してまいります。
また、地域連携の推進につきましては、大学や企業などとの連携を推進してまいります。
第2は、「健康で明るく暮らせるまちづくり」であります。
はじめに、健康・医療についてであります。
保健サービスの充実につきましては、新年度から、特定健康診査等の対象とならない20歳から39歳の方を対象に健康診査を実施してまいります。
また、現在がん治療を受けている方などを対象にウィッグや胸部補正具の購入、レンタル費用の一部を助成してまいります。
休日診療・休日準夜診療や休日歯科診療につきましては、休日・夜間における急患に対応するため、引き続き実施してまいります。
国立感染症研究所村山庁舎BSL-4施設につきましては、施設における安全対策、災害対策及び市外適地への移転等について、引き続き要望を行ってまいります。
また、引き続き「施設運営連絡協議会」に市職員を派遣し、安全対策等を確認するとともに、説明会や施設見学会などの継続的な実施を求めてまいります。
国民健康保険事業特別会計につきましては、毎年度、一般会計からの多額の繰入金により収支の均衡を保っている状況にあり、健全な財政運営を維持すべく「国保財政健全化計画」に基づき、国民健康保険税率の改定や医療費の適正化などに努めてまいります。
後期高齢者医療につきましては、新年度からコンビニ納付やスマホ決済アプリによる納付に対応し、保険料を納付しやすい環境を整備するとともに、引き続き東京都後期高齢者医療広域連合と密に連携し、対応を図ってまいります。
次に、福祉についてであります。
高齢者や障害者の権利擁護につきましては、引き続き福祉サービスの利用に関する相談や苦情・要望の対応などを含め、日常生活における必要な支援を行ってまいります。
また、新たに市民後見人の養成講座や社会福祉協議会による法人後見を開始するなど、事業内容を充実させ、地域連携ネットワークの中心となる中核機関を設置することで、成年後見制度の利用促進をより一層図ってまいります。
子ども・子育て支援につきましては、引き続き「病児保育」や「休日保育」などを実施し、保護者のニーズに応じた保育を実施してまいります。
さらに、保育内容の充実、児童や職員の処遇向上等を図るため、引き続き民間保育所が常勤の保育士を採用するための費用や保育従事職員の宿舎の借上げに要した費用の一部を補助することにより、保育士の確保の支援に努めてまいります。
子育て家庭の支援につきましては、新年度から子ども家庭支援センターと子育て世代包括支援センター「ハグはぐ・むらやま」を統合した「子ども家庭センター」を設置し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行ってまいります。
さらに、住民税非課税世帯等の妊婦を対象に初回の産科受診料を助成するとともに、「産後ケア事業」の実施医療機関を拡充するなど、全ての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境の整備に努めてまいります。
「バースデーサポート事業」につきましては、贈呈品の内容を拡充し、行政がかかわる機会が少ない1歳児を養育する家庭の状況把握等の機会の創出につなげることで、子育て世帯に対する相談支援体制を強化してまいります。
また、従来の「子どもカフェ事業」及び「児童館親子ひろば事業」を統合し、新たに「健やかひろば事業」として、開催地域を拡大し、安心・安全な遊び場、子育て相談ができる居場所の提供等を実施してまいります。
子どもの居場所の確保につきましては、新年度から、学童クラブにおいて、学校の長期休業期間中に業者による弁当形式の昼食提供を実施し、保護者の家事負担の軽減を図ってまいります。
高齢者福祉につきましては、地域のサロンを運営する団体に対し、補助金を交付することにより、運営を支援するとともに、フレイル予防について学ぶ健康教室「歯つらつ教室」を実施するなど、介護予防を推進してまいります。
また、認知症施策につきましては、引き続き「認知症初期集中支援チーム」による個別訪問や「認知症サポーターステップアップ講座」を実施するとともに、新年度には65歳から79歳の方を対象に認知症に関する知識の普及啓発冊子及び認知症検診の案内を送付し、認知症の早期診断・対応を促進してまいります。
また、介護職員初任者研修課程の受講費用の一部を助成することにより、市内の介護保険サービス事業所への人材の定着に努めてまいります。
障害者福祉につきましては、障害のある人もない人も、お互いに尊重し、支え合いながら、地域でともに暮らせるまちづくりを推進するための各種施策を実施してまいります。
新年度からは、障害者等からの相談に対し、総合的かつ専門的な相談支援等を行う基幹相談支援センターを運営して、相談体制の充実を図ってまいります。
生活支援につきましては、引き続き「市民なやみごと相談窓口」において、市民が抱える複合的な課題の相談を受け付け、関係機関と連携して円滑な対応を図ってまいります。
消費生活につきましては、多様化・複雑化する消費者被害に対応するため、消費生活センターの開所日を週5日に拡充し、相談体制を強化してまいります。
第3は、「安全で快適なまちづくり」であります。
はじめに、安全・安心についてであります。
災害対策につきましては、令和5年5月に「東京都地域防災計画」が改訂されたことに伴い、その整合性を図るほか、近年、国内で発生した災害及び1月に発生した「令和6年能登半島地震」で見えてきた様々な課題等を踏まえ、市民の命と財産を守るため、より実効性の高い「地域防災計画」の改訂に着手いたします。
また、引き続き倒壊のおそれのあるブロック塀等の撤去等に係る費用や木造住宅の耐震改修等に係る費用を助成するなど災害に強いまちづくりを推進するとともに、多くの市民の防災意識の高揚に努めてまいります。
さらに、新年度には、福祉避難所として協定を締結している施設について、指定避難所への移行を進め、避難所開設に必要な消耗品及び資器材の購入費用の一部を助成するなど、円滑に避難所の開設・運営ができる体制の整備を進めてまいります。
災害時は応急給食などを行う防災拠点として稼働し、平常時は学校給食の提供などを行う「(仮称)防災食育センター」につきましては、引き続き新施設の建築など整備工事を実施するとともに、必要となる備品等を搬入するなど、令和7年4月の稼働開始に向けた準備を実施してまいります。
消防体制につきましては、消防団員が中型自動車運転免許等を取得する際の費用の一部を補助し、消防団活動を円滑に実施するための支援を行ってまいります。
次に、都市基盤についてであります。
「都市核地区土地区画整理事業」につきましては、引き続き地権者の理解と協力を得ながら、一層の事業促進を図ってまいります。
また、都市核地区土地区画整理地内の公園等予定地について、令和5年8月に暫定市民広場として3か所の供用を開始したところでありますが、新年度には2か所の供用を開始してまいります。
「都営村山団地後期計画事業」につきましては、建替事業の円滑な推進に向け、引き続き東京都と協議を行ってまいります。
横田基地の軍民共同使用につきましては、基地周辺地域の活性化に寄与するものと考えておりますことから、今後とも、国や東京都などの動向を的確に把握し、騒音などの周辺環境への配慮を行うことを前提として、横田基地の軍民共同使用の促進に向けた対応を図ってまいります。
都市の骨格を形成する主要道路や身近な生活道路につきましては、新年度も引き続き計画的な整備を進めてまいります。
「榎地区まちづくり事業」につきましては、交通ネットワークの充実を図り、秩序ある市街地を形成するため、整備に向けて取り組んでまいります。
空家等対策につきましては、「空家等対策計画」に基づき、その発生抑制や有効活用等の効果的な施策を推進してまいります。
下水道事業につきましては、新青梅街道拡幅に伴う汚水管の移設のほか、「雨水管理総合計画」に基づき、雨水管整備や空堀川流域雨水幹線整備などの雨水対策事業を計画的に進めてまいります。
また、新年度には水防法に基づく想定最大規模降雨に対し、内水による浸水が想定される区域等を示した「内水浸水想定区域図」の作成に着手いたします。
廃棄物処理とリサイクルにつきましては、家庭ごみ有料化及び戸別収集の実施に伴い不要となったごみ集積所跡地への不法投棄を防止するため、ごみ集積所跡地の閉鎖措置を引き続き実施してまいります。
また、小平・村山・大和衛生組合における「(仮称)新ごみ焼却施設」の整備に伴い、現在、近隣の処理施設に可燃ごみの一部の処理をお願いしております。
引き続き、整備期間中は他の処理施設で御支援をいただき中間処理をすることになりますので、支援先の自治体及び周辺住民に十分な配慮をし、適正な収集運搬やごみの分別を徹底してまいります。
地域交通につきましては、多摩都市モノレール延伸に合わせた交通体系の見直しが必要となることから、地域にとって望ましい公共交通サービスの姿を明らかにし、持続可能なサービスの提供を確保していくため「地域公共交通計画」の策定に着手いたします。
第4は、「誰もが学び活躍できるまちづくり」であります。
はじめに、人権についてであります。
人権意識の高揚につきましては、人権尊重の重要性、必要性の理解を深めるため、引き続き、人権に関する啓発活動を推進してまいります。さらに、セクシュアル・マイノリティの支援につきましては、これまでの意識醸成の取組を継続しながら、具体的な施策について引き続き検討してまいります。
男女共同参画につきましては、男女共同参画社会の構築を推進するため、引き続き男女共同参画センター「ゆーあい」を拠点として、相談事業を行うなど、各種施策を展開してまいります。
また、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組む事業所を認定し、その取組内容を広く周知することで市内事業所におけるワーク・ライフ・バランスを推進してまいります。
次に、教育についてであります。
教育につきましては、「総合教育会議」を開催し、教育委員会との情報共有、連携強化を図ってまいります。
また、市の教育等に関する総合的な指針である「教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱」の基本理念の下、「第三次教育振興基本計画」に基づき、各種施策を推進してまいります。
さらに、全ての児童・生徒が安心して学習活動などに取り組むことができるよう、「いじめ防止対策推進条例」に基づいて対策を総合的かつ効果的に推進してまいります。
また、いじめ、不登校等の生活指導上の課題を抱える児童・生徒に対応するスクールソーシャルワーカーの配置体制を強化するとともに、新年度から第三中学校にチャレンジクラスを設置し、不登校生徒が安心して学校生活を送れる環境を整備してまいります。
なお、国によるGIGAスクール構想により整備したタブレット端末を活用して、引き続き全ての児童・生徒の資質・能力を一層確実に育成できるようICT教育を推進してまいります。
続きまして、学校教育についてであります。
本市の学校教育は、義務教育9年間を見通した教育活動を推進しており、引き続き小中一貫教育の充実を図ってまいります。
また、次世代を担う子どもたちが、地域への愛着をもつとともに、市の発展や課題について考え、問題解決に取り組む力を育むことを目的とした「まちづくり学習」につきましては、全小中学校において引き続き実施してまいります。
特別支援教育につきましては、特別な教育的ニーズに対応したきめ細やかな教育が展開できるよう、引き続き推進してまいります。
「地域未来塾事業」につきましては、児童・生徒の学力向上のため、引き続き実施してまいります。
教育施設につきましては、児童・生徒が安全に充実した学校生活が送れるように、計画的に整備してまいります。
また、新たな機能が搭載された校務支援システム等を整備することで、教職員の働き方改革を推進し、教育活動の質の向上に努めてまいります。
生涯学習につきましては、市民の主体的な学習活動を支援し、市民一人一人の生活の充実や向上を図るための各種施策を推進してまいります。
スポーツ・レクリエーションにつきましては、新年度には「スポーツ都市宣言」10周年記念事業として、新たなスポーツジャンルであるARスポーツの体験会を実施してまいります。
また、東京都市町村総合スポーツ大会の幹事市となることから、円滑な大会運営に努めてまいります。
第5は、「地域の特色をいかした自然と調和するまちづくり」であります。
農業につきましては、本市の都市農業の更なる振興を図るため、認定農業者や新規就農者への支援など各種施策を推進してまいります。
農地の保全につきましては、引き続き「未来に残す東京の農地プロジェクト事業」を活用し、地域や環境に配慮した生産基盤などを整備してまいります。
また、農業従事者の高齢化に対応するため、農業経営が困難な農地の将来像を地域計画としてまとめ、新たな農業の担い手の確保と支援を図ってまいります。
商・工業につきましては、市内での新たな産業の創出を促すため、創業希望者などに対して創業塾等を開催するなど、引き続き商工会や民間事業者と連携した支援を行っていくとともに、市内で新たに創業する中小企業者を支援するため、事業を始めるに当たって必要な経費を助成する補助事業を実施してまいります。
また、新たにスタートアップ支援として、ビジネスプランコンテストを開催し、優秀なビジネスプランについて表彰するほか、実際に創業した場合に奨励金を交付することで、地域に根差した創業に対する機運醸成を図ってまいります。
さらに、市内事業者の経営安定化に向けた支援として、事業資金の融資あっせんや商店街振興を目的とした商店会のイベント事業などへの補助を引き続き行ってまいります。
市内工業地域への企業の誘致を推進する「企業誘致促進事業」につきましては、引き続き、対象となる企業やその企業に対して建物を賃貸する者に対し、奨励金を交付するとともに、制度の積極的な周知を行い、企業の誘致を推進してまいります。
観光につきましては、「武蔵村山観光まちづくり協会」と連携し、個性豊かで魅力的な観光事業を実施してまいります。
また、令和5年4月から一時閉館している村山温泉「かたくりの湯」につきましては、再開に向けて、指定管理者の募集や施設の点検等を進めてまいります。
地球温暖化対策につきましては、良好な環境を将来の世代に引き継ぐため、「ゼロカーボンシティ」実現に向けた各種施策を実施してまいります。
2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルの実現を目指し、新年度には、「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定してまいります。
また、市民に対し、太陽光発電設備の設置等に係る費用の一部を補助するとともに、庁用自動車への電気自動車導入などを実施してまいります。
さらに、次世代への環境意識の醸成を図ることを目的として、「ゼロカーボンシティチャレンジ校」に指定した第三中学校区の小中学校につきましては、太陽光発電設備の設置や校舎照明のLED化などを推進してまいります。
以上、「第五次長期総合計画」に基づく五つの柱に沿って、主な施策を申し述べてまいりましたが、これらを実現させるための推進体制について申し上げます。
はじめに、行政運営についてであります。
計画行政の推進につきましては、「第五次長期総合計画」や「第七次行政改革大綱」、各種個別計画などに基づき、施策、事業を計画的、効率的に執行してまいります。
職員の採用試験につきましては、第1次試験を従来の来場方式による筆記試験からテストセンター方式による基礎能力検査に変更し、全国各地の志望者の受験機会を拡大することにより、多様な人材の確保を図ってまいります。
職員の資質向上につきましては、職員の能力開発や意欲を引き出す取組として、「人材マネジメント研修」や「モチベーション向上研修」等、新たな研修を導入するほか、eラーニング形式の研修の充実を図るなど、より多くの職員が必要とする研修を受講しやすい環境の整備を図ってまいります。
また、メンタルヘルス対策として、メンター制度を推進するとともに、休職者の職場復帰プログラムを整備するなど、職員が心身共に健康で安心して働ける職場の環境づくりを進めてまいります。
さらに、「職員倫理の指針」や「人材育成基本方針」に基づき、組織の力を高めることを目的に、職員としての自覚と責任を促し、職員一人一人の可能性を引き出す取組をより一層推進してまいります。
電子自治体の推進につきましては、デジタル技術等に関する専門的な知識や経験をもつ外部デジタル人材を活用し、DXの取組を推進してまいります。なお、DXの基盤となるマイナンバーカードにつきましては、引き続き普及促進に努めてまいります。
また、行政手続のオンライン化につきましては、東京電子自治体共同運営電子申請サービス及びマイナポータルのぴったりサービスに加え、プログラミング等の知識がない職員でも申請フォームを作成可能なSaaS型電子申請受付システムを導入し、オンライン化を推進しております。引き続き、更なる行政手続のオンライン化の拡大を図ってまいります。
さらに、窓口のDX化の一環として、死亡届後の各種手続のワンストップ窓口であるおくやみコーナーの運用により、遺族の負担軽減を図ってまいります。
加えて、新年度には、住民異動届をはじめとした各種手続を対象に「書かない窓口」の導入に向けた調査検討を進めてまいります。
行政事務におけるICTの有効活用につきましては、新たに文書作成補助、情報収集などの機能を有する文章生成AIを導入し、行政事務の更なる効率化を推進することで、市民サービスの向上を図ってまいります。
次に、財政運営についてであります。
限りある財源を有効に活用するため、事業の執行に当たっては、最少の経費をもって最大の効果が図れるよう創意工夫を行うとともに、政策的経費にかかわらず、スクラップ・アンド・ビルドを徹底し、計画的かつ効率的な財政運営を推進するとともに、自主財源の確保を図ってまいります。
また、令和5年11月に地方創生応援税制に係る地域再生計画が認定され、「企業版ふるさと納税」による寄附を受けることが可能となりました。対象となる事業等については、順次、市ホームページ等で周知を図ってまいります。
以上、令和6年度を迎えるに当たりまして、市政運営の基本的な考え方と施策の一端を申し上げたところでありますが、もとより市政は市民の皆様の信頼の上に成り立っているものであります。
今後とも、武蔵村山市を「日本一住みやすいまち」にするために、全力を傾注してまいる所存であります。
結びに当たり、市議会をはじめ市民の皆様に対しまして、御理解と御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。
武蔵村山市長 山﨑 泰大
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